【イベントレポート vol.03】フリーランス うめこさんにキャリアとディレクションの極意を学ぶ
こんにちは!運営メンバーの岡崎( @okazaki__shiho )です!
5/24(金)、第3回もりもり勉強会が開催されました。
今回は、質問も多く内容も濃く、参加者さんの熱量を特に高く感じた会でした。
参加後のアンケートもみなさんから「キャリアを考える上でとても参考になった」とおっしゃってくださり、運営一同大変嬉しく思っています。
本記事では、当日行われた講演内容の一部や、当日の様子をご紹介。
今回お越しいただいた方はもちろん、ご都合が合わなかった方もぜひご覧ください!
勉強会について
ゲストスピーカーは、うめだ えりこさん
今回ご登壇いただいた方は、フリーランスでご活躍されている、うめだえりこさん。
2005年にWebデザイナーとしてキャリアをスタートされてから、制作会社や事業会社で経験を積まれて、2015年個人事業主として独立。ウェブ制作だけでなく、戦略立案、UX、プロダクト開発やサービスの制作運用、企業の組織づくりやインナーブランディングから採用活動の支援まで様々なプロジェクトに携わっていらっしゃいます。また、「経営課題をともに解決するデザインパートナーになる」その想いの実現を目指して現在経営大学院で勉強されています。
また、普段は「うめこさん」の愛称でみなさんから親しまれており、とても気さくでやさしい方です。
当日も、緊張しているであろう参加者さんへ自ら進んで話しかけてくださるなど、親しみやすいうめこさんのおかげで、勉強会から懇親会まで終始和やかで楽しい雰囲気となりました。
▼X(Twitter)
うめこさんアカウント:@umeko12
勉強会の内容
当日は以下の流れでお話いただきました。
今回は、一部を抜粋してお伝えいたします!
01 ⾃⼰紹介
02 キャリアの変遷
03 どのようにキャリアを築いてきたか
04 今後のキャリア形成について
05 クライアントとの関係性の築き⽅、提案事例
06 Tips
どのようにキャリアを築いてきたか
キャリアを意識した転換期
28歳のとき、定年までのキャリアを考えたことがあります。「私、この会社とこの仕事をやっていて定年まで自分の仕事ってあるんだろうか」と思ったとき、今のままではいけないと感じました。「きれいなだけのデザインではなく、お客さんの課題を解決するものを作りたい」「自分の学歴や職歴、実績などを考えたとき、やや戦略的にキャリアを築かないと定年まで見通せない」と思いました。そこで、もっと外の世界を見るために、今までよりさらにセミナーに参加したり、同業界の方の話を聞くようになった。それが転換期でした。
むかしから定年まで働きたいと考えていたうめこさん。この先も周囲や社会から必要とされる存在になるために、ユーザー視点・お客様視点に立った人材になろうと決意されました。
キャリア戦略の考え方
外部環境と自分が持っているものに対して、ギャップを埋めないと、自分の価値は高まらない。だけど、ただギャップを埋めるだけではしんどいところもあります。そうなったときに、みんなが行く道ではなく「こういうことだったらうめこさんに頼もう」と想起してもらえるポジションに立とうと思いました。そうなったときにどういったスキルを持っていたら、認知してもらえるのかをこれまで考えてきました。
当日は、うめこさんの好きな野球チーム『ドラゴンズ』のマスコットキャラクター「ドアラ」を例に、ポジショニングについてお話される場面も。キモかわいいというポジショニングで人気が出ているドアラですが、現在の顔に至るまでにいろんなデザイン変更も経てきたそう。何事もいきなり成功することはなく、いろんな工夫をし続けることが重要ですね…。
外部環境
ポジショニングのために、まずは、Web制作業界の市場を押さえないといけない。特にフリーランスの場合は押さえておかないと、仕事の依頼が来なくなるというところに直結します。なかでもWeb制作は参入しやすい業界。立ち位置や提供できる価値を考えておかないと、どんどん「安くて、早い」という競争に巻き込まれてしまいがちです。そこではない部分で勝負していかないと、抜け出せなくなってしまう。だからこそ、想起されるためには、どの立ち位置でどんな価値を提供できるか?を考えておく必要があります。
最近では、ノーコードツールでのWeb制作や生成AIでのデザインも増えてきていて、競争がますます激しくなっているようにも見えます。市場で生き残るためにも、Webサイトやバナーが作れるだけではなく、新たな自分なりのスキルが必要だといいます。
今後のキャリア形成について
キャリア形成としては、藤原和博さんの三つのスキルやキャリアを掛け合わせることで、100万分の1の人材になるという考え方をとても参考にしてます。まず、20代の5~10年(約1万時間)で「左足の軸」を作り、次に30代の5~10年(約1万時間)で「右足の軸」を作る。さらに、40~50代(約1万時間)にかけてできるだけ遠くに踏み出し、三角形の頂点を作って「大三角形」を形作る、という考え方です。私自身でいうと、まず1歩目(左足)はデザイン、2歩目(右足)が経営。そして、さらなる3歩目が自分のサービスを作るということ。今までは受注の仕事がメインでしたが、今は3歩目として社会のためにできることを取り組んでいます。
多角的なキャリアを考えるうえで、必要な戦略。一つのスキルをずっと身につけるのではなく、年齢ごとにあらゆるスキルをセットとして発展させていくことの重要さを感じました。日々新しい挑戦を続けて、自分自身を成長させることで、他の誰とも違う価値を提供できる人材を目指していく必要性がありますね。藤原和博さんの考え方は、以下の記事から読むことができるため、ぜひ参考にしてみてください。
3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材になる――藤原和博氏が語る人生100年時代の働き方
クライアントとの関係性の築き⽅
私に頼みたいと思ってくださるクライアントに対して、「どれだけ想いを持てるか、汗をかけるか」を大切にしてます。そのためには、結果を出して信頼してもらうしかない。「この人ならわかってくれる、やってくれる」と、クライアントから思っていただくために、日々行動しているつもりです。
単に言われたことをこなすだけではなく、クライアントとの信頼関係を築くための仕事をする必要性を改めて感じた場面でした。クライアントとの信頼関係があってこそ、より良い仕事の成果につながっていくのだと思います。より多くのクライアントから「頼りになる存在」となれるよう、このような姿勢を持ち続けながら日々の業務に取り組んでいきたいですね。
質疑応答
当日ご質問いただいた一部の質問を抜粋してお伝えいたします!
- 10年後のキャリアやありたい姿を考えていますが、なかなか思いつかないです。考え方のコツなどありましたら、ご教示いただけますと幸いです。
-
確かに、いきなりキャリアを考えるのは難しいと思います。それに、キャリアを考えること自体、全員に必要なわけじゃないとも思います。
(そのうえで、)私が最初に考えたのは、『将来どういうふうに暮らしていたいか』。例えば、宝くじで10億円貰っても仕事を続けるのか?とか。私は、たとえ大金を手に入れたとしても働きたいんですよね。社会との関わりを持っていたいし、誰かの役に立てないとあんまり何か生きがいみたいなものを見出せなかったりするので。
そういった、やや非現実的な問いをして、自分のキャリア観みたいなものをまず導き出すのも一つの手なのかなと思ってます。
- マネージャー職になると、そもそもキャリアについて考えることがない部下に対して、少しでも成長してもらうためにキャリアを考えてほしいのですが、どうしたら考えてもらえるのでしょうか?
Z世代など若手のことがわからないため、自分のキャリアを伝えてもなかなか動いてくれない印象があります。 -
もともと将来を考えていない人に対して、キャリアって響かないんですよね。
私は、まずその人自身の「仕事に対するモチベーションは何か」を聞いたうえで、合わせないといけないと思ってます。相手が考える『仕事に対する期待値』を聞いておかないと、こちらの一方的な「こうなってほしい」「考えて欲しい」ばかりで平行線になってしまう。
聞いたうえで、相手の期待値に少しだけストレッチしたキャリアの話をする。
普通の会社であれば、評価制度など会社として決まったものがあるうえでやらなきゃいけないと思います。だから、会社側の意思もきちんと伝えなきゃいけないし、相手の期待値にちゃんと寄り添っていかないと、ギャップは埋められないのかな、と。
参加者様の声
当日アンケートでいただいた、参加者さんの声を一部ご紹介します。
まとめ
当日の勉強会では、業務やキャリアについて悩む若手から、若手をマネジメントする立場としてどのように接したらいいのかという方まで、さまざまな方から多方面の質問をいただきました。
また、懇親会でも熱量が高い参加者さんが多く集まっていて、日々の仕事の悩みや相談、各々のキャリアや経験を共有し合う姿も。参加者さん同士での交流も盛んに行われていて、運営側として嬉しかったです。
長いように見えて、きっとあっという間な社会人生活。私自身含めて、多くの参加者が「もっと将来のキャリアを考えたり、市場を見つつ戦略的にスキルを身につけておくべきだ」と思っていただけたのではないでしょうか。常に自分のスキルやキャリアを見直し、新たな挑戦を続けることで、100万分の1となる人材に近づいていきたいですね。
そのためにも、今の目の前にある仕事から自分のスキルを活かした取り組み方をすることで、将来的に価値のあるスキルや経験を蓄積していきましょう!
第4回のご案内
【第4回もりもり勉強会】マーケティング支援会社の代表 古田聡さんに学ぶ、自分だけのキャリアを見つける方法とクライアントに対する向き合い方
日程:2024年8月31日(土) 14:30~
ゲストスピーカー:古田聡(Sou Furuta) さん( @soufuruta )
マーケティングの包括支援が得意なアルテナ株式会社の代表取締役。デジタル広告を専門に取り扱うベンチャー企業にて、マネージャーを行いながら様々なビジネスの広告運用を実施。また、総合商社のマーケティング事業部の事業部長、企業のマーケティングを支援する個人事業の三足の草鞋を経て、アルテナ株式会社を創業。
ゲストスピーカーは、アルテナ株式会社の代表・古田聡さん。
クライアントの希望や悩みを考慮しながらマーケティング戦略を提案し、あらゆる施策実行を支援または代行されています。
また、古田さんはスタートアップ企業を支援するイノベーション拠点 STATION Ai で、大小様々なスタートアップ企業に向けて、マーケティングに関する個別相談会を毎月実施しています。その中で、学生や若手社会人のマーケティング職としてのキャリア相談に乗ることもあるそうなので、その辺りのお話もしていただく予定です。
「ほかの人と違った差別化できるキャリアを歩みたいが、どのようにキャリアを考えたらいいか分からない」
「限定的な支援に限らず、もっと幅広くクライアントを支援ができるようになるには、どうしたらいいか知りたい」
「クライアントとの向き合い方に悩んでいるため、どうやって対応しているのか話を聞きたい」
上記の悩みや考えをお持ちの方は、ぜひお気軽にお越しください!
仕事の関係で開始時刻に間に合わない方や、帰宅時間の影響で早めに切り上げないといけなかったりする方がいらっしゃらないよう、次回は土曜日に開催いたします!
勉強会自体も日中に開催する予定です。
休日になりますが、「人の経験を聞いて成長したい」「リアルな場で切磋琢磨できる仲間を見つけたい」という方は、ぜひお気軽にお越しください。
詳細が決まりましたら、もりもり勉強会のX(Twitter)とPeatixで告知いたします。
ぜひフォローとチェックをお願いいたします!
X(Twitter):@moriben_X
Peatix:https://peatix.com/group/13677480